2018年10月21日 (日曜日)

消費増税まであと1年、IMFレポート「日本はすでに財政健全化済」(10/21)

少し日が経ってしまったが、先週に読売新聞で、安倍首相が来年10月に消費税増税することを閣議決定するかのようにも読める記事を1面トップで大々的に報じた。

消費増税、予定通り来年10月実施…首相表明へ (10/14,読売新聞)

来年10月の消費税の10%への増税はすでに法律で定められているため、今更「閣議決定」などする必要はない。そして翌日10/15の閣議での内容は、「来年10月に消費増税をする”予定になっているから”、景気への影響を防ぐための対策を検討せよ」と安倍首相が指示をした、というものである。
菅官房長官は、記者会見で「リーマンショック級のことが起きない限り消費増税は予定通り」と、これまで通りの説明を繰り返したのみであり、閣議の前日になぜ今読売新聞が大々的に「増税決定」と思わせるような報道をしたのか、かなり違和感のあるものだった。
・・・ていうか、ちなみに読売新聞て財務官僚の天下り先として有名なところであるという余計な一言を言ったうえで、今日の本題に入りたいw。

ちょうどそれと時を同じくして、非常に興味深い、というか決定的な情報が出てきた。今月IMF(国際通貨基金)が公表したレポートがそれである。このレポートでは世界各国政府の財務状況がまとめられている。

Fiscal Monitor, October 2018 Managing Public Wealth

Full Report PDF形式の資料

この中のChapter 1の2ページ目のFigure 1.1に
各国の政府・中央銀行連結(Public Section)の財務状況で、債務と資産のバランスシートのグラフがある。
レポートは長い英文の資料なので、そこだけとりあえず持ってきておく。

Publicsectorbalancesheets2016_imfre
Figure 1.1 Public Sector Balance Sheets(Percent of GDP 2016)

このグラフ中で、Net worthというのがネット資産、これは債務と資産との差分、マイナスなら純債務となりこの数字が財務状況の良い悪いを表している。このグラフの中で日本のNet worth=純債務はほぼゼロだ。

これまで「日本は1100兆円の『国の借金』があり、国民一人当たりにすると(以下略」と散々報じられ、日本の財政は非常に悪いとされてきた。現在消費税の8割が国債の償還に充てられており、これまで増税の「根拠」とされてきた議論だ。
今回のIMFのレポートは、それが全くの間違いでしたと言っているのだ。財政は、債務だけでなく資産とのバランスシートで評価するべきである。日本の場合、政府債務が1100兆円あるのは事実だが、その反対側に莫大な資産を保有している。
さらには、政府と中央銀行はいわば親会社と子会社の関係にある。そのため政府と中央銀行連結のバランスシートで評価する必要がある。そうすると日銀が保有した国債は、「政府の借金」としては事実上無効化されていると言えるのだ。なぜなら、日銀法53条で日銀が保有している債権の利息などで得られた利益は、「国民の資産」ということで政府に国庫納付金として納める決まりになっている。ちなみにこれは日本だけでなく大抵の国でも同様である。
すなわち日銀保有の国債の利払いは、政府がいくら払っても自動的に全部国庫納付金として戻ってくるため、政府支出はビタ一文も生じない。事実上無利子なので国債の償還期限が来るたびに新しい国債に借り換えするだけで、返済期限も事実上無期限なのである(※)。
第二次安倍内閣になってから日銀は「異次元の金融緩和」政策によって、大量のお金を発行して国債を買い取っている。今現在、1100兆円の45%、ほぼ半分近くは日銀保有となっている。これにさらに資産と債務のバランスシートを評価すれば、今や日本の純債務はほぼゼロ。そう、実に多くのマスコミも政治家も財界もまだ正しい理解に至ってないようだが、つまり今の日本は、

財政健全化などとっくに完了している

のである。
現時点、残念ながら今のままだと予定通り来年10月に消費税は10%に引き上げられてしまいそうである。はっきり言って消費増税は全くの不要不急である。それどころか、おそらくは政府でどのような対策をしたところで消費の冷え込みは避けられず、長きにわたる日本のデフレをさらに悪化させる百害あって一利ない間違った政策といってよい。今日時点まで今回のIMFレポートを報じるマスメディアはほぼ全くないが、これがなるべく多くの人に伝わることを願ってやまない。


※こう言うと、「そうだというのなら、日銀がお金を無限に発行すれば、政府は無限に国債を発行できて無税国家になるというのか??」と言う人がたまにいるが、当然ながらそうではない。お金を無制限に発行することには唯一のペナルティがあり、それはもちろんインフレになることだ。ただ日本の場合は、あれだけ金融緩和をやってもいまだデフレを脱却してない、というだけの話である。


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2018年10月 4日 (木曜日)

自衛隊トップ「自衛艦旗降ろすことはない」:韓国の「旭日旗」掲揚自粛要求に対し(10/4)

これもにわかに騒がしくなってきたニュース。

自衛隊の河野統幕長「自衛艦旗は海上自衛官の誇り。降ろすことは絶対にない」 韓国の「旭日旗」掲揚自粛を拒否(10/4,産経新聞)
>自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は4日の記者会見で、韓国側が求めている国際観艦式での自衛艦旗「旭日旗」の掲揚自粛について拒否する考えを示した。

今月10日からの開催が予定されている韓国・済州島での国際観艦式、海上自衛隊の艦艇も参加が予定されているのだが、自衛艦旗として使用されている旭日旗は旧日本軍で使われ、韓国では侵略戦争や軍国主義の象徴として多くの国民が強い反感を持っている、などとして韓国側に自粛を要求する動きがある。

海自艦の旭日旗掲揚、韓国外務省も配慮求める、(10/4,産経新聞)
>韓国の康京和外相は4日の記者会見で、韓国海軍が南部済州島で10日から開く「国際観艦式」の際、海上自衛隊が自衛艦旗の旭日旗を掲揚する意向を示していることに関し「外務省としても、国民の感情や歴史的経験について日本側が十分に考慮しないといけないとの立場を(日本に)伝えた」と明らかにした。

まあ、以前からも誰かのファッションが旭日旗をあしらったデザインになってるだのと中国や韓国といったいつものあちら側の方々がぶつくさ言ってくることはあったわけだが、旭日旗に関してはどうもここ数年で急激に激しい反応をするようになった傾向がみられる。実はこれには以下のような経緯がある。

Wikipedia、「旭日旗」に関する記載より抜粋:
2011年1月25日、サッカーアジア杯準決勝の日韓戦で日本人に対する侮蔑を意図したとされる「猿の真似」パフォーマンスを行った韓国代表の奇誠庸(キ・ソンヨン)が、人種差別にあたるという批判に対し、「観客席にあった旭日旗への報復のために行った」と反論したことを契機に「旭日旗そのものに問題があり、国際社会から追放するべき」とする韓国世論の主張が大きく伝えられるようになった。

いい加減にせーよと言いたくなるが・・・。今のところ日本側は、「掲揚自粛」を断固拒否する態度を崩していないのでひとまず安心する。向こうがおかしなことを言ってくるのは毎度のことなので、今更論じるに値しないが、そのおかしな要求にヘンな態度を取ろうとする人が日本側にたまに現れかねないので、毎度ハラハラさせる。

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既存機改良より新規開発:F2戦闘機後継(10/4)

一応記事にしておくか。

<防衛省>空自F2後継機は新規開発 既存改良はコスト高く (10/4,毎日新聞)
>防衛省は、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機を新規開発する方針を固めた。政府関係者が明らかにした。米英の3社から既存機種の能力向上型の導入を提案されていたが、コストや性能面から日本側の要求に合わないと判断した。

2030年代から耐用年数を迎える航空自衛隊のF2戦闘機の後継をどうするかの議論。今から半年ちょっと前だったか、マスメディア上で情報が錯綜して報じられていたことがあった。

<F2後継機の国産断念へ 防衛省、国際共同開発を検討 (3/5,朝日新聞)
>防衛省は2030年ごろから退役する航空自衛隊の戦闘機F2の後継機について、国産開発を断念する方向で最終調整に入った。

と報じられた翌日に、

「国産断念との事実はない」F2後継機開発で小野寺五典防衛相 (3/6,産経新聞)
>小野寺五典防衛相は6日の記者会見で、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機に関し、同省が国産開発を断念したとの報道について「現時点でどのような判断を行うかは何ら決まっておらず、国産開発を断念したという事実はない」と述べた。

と話しが変わった。どうするんだろうと気になっていたが、今日上述のような報道がされ、どうも既存機ベースでの開発では要求を満たすことができず新規開発になる、ということである。
記事では、国産開発かどうかはまだわからないとしているが、新規開発である以上、100%外国産はほぼありえないと思われる。国内でこの分野の技術開発が進むことに期待したい。

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2018年9月 4日 (火曜日)

トランプ大統領「真珠湾攻撃」発言の真意(9/4)

えー、ご無沙汰しております。
とりあえず更新再開。ちょっと面白かったので記事にしておこう。

トランプ米大統領「真珠湾」発言の米紙報道 日時・場所・文脈とも全く異なると判明 政府高官明かす (産経新聞,9/4)
>トランプ米大統領が6月の日米首脳会談で安倍晋三首相に対し、日本の通商政策をめぐり「真珠湾攻撃を忘れないぞ」と発言したと米紙ワシントン・ポストが報じた問題で、発言があったのは首脳会談の場ではなく、日時や場所、文脈も全く異なることが3日、分かった。複数の政府高官が明らかにした。

そうそう、何日か前、6月の日米首脳会談について何やら気になるニュースが流れていた。例えばこんな感じ。

トランプ大統領「真珠湾忘れぬ」(時事通信,8/29)
>米紙ワシントン・ポスト(電子版)は28日、6月の日米首脳会談でトランプ大統領が「私は真珠湾を忘れない」と述べ、対日貿易赤字問題などをめぐり安倍晋三首相に強い不満を表明したと報じた。
米大統領 「真珠湾攻撃忘れないぞ」安倍首相へ圧力 米紙 (毎日新聞,8/29)

しかしこれがどうやら、反トランプ色の強い米ワシントンポスト紙発の「フェイクニュース」だったというのだ。トランプ大統領の「真珠湾」発言の出どころがワシントンポスト紙だけだったのと、当初から別ソースではどうもそれとは雰囲気が違うらしい情報は流れてはいた。

トランプ氏「真珠湾」発言 安倍首相に“不満”(FNN,8/29)
>しかし、関係筋などによると、この時トランプ大統領は、「日本はかつて真珠湾を攻撃したほどの軍事強国であったじゃないか」と。
>「防衛費をもっと増やすべきだ」という意味で発言したもので、通商問題で日本を非難する意味ではなかったとしている。

対日貿易赤字の話ではなく、トランプ大統領としてはアメリカの国防費を減らすために日本に防衛負担を求めたい意図があった中での発言と思われるが、要するに、
「かつての日本は、真珠湾攻撃で我が米艦隊をもボコボコにするほどあんなに強かったじゃないか。今の日本だってあのくらいの強さで周辺のあんな国とかあんな国とかとだってもっと戦えるだろう。」
と言ったわけである。
アメリカとしてトランプ大統領としての意図はあっただろうが、事実であるならばぶっちゃけ「その言やよし」と言いたい。

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2017年11月10日 (金曜日)

日本軍、幻の決戦兵器、米国立博物館で公開(11/9)

前後したが昨日のニュースソース、しかもさらに何日か前の記事の再掲らしいが、もったいないので記事にしておく。

“幻”の「震電」と「橘花」 米国に現存する日独軍決戦兵器(11/9,産経新聞)

震電と橘花はいずれも旧日本軍が第二次世界大戦末期に決戦兵器として開発、試作機を作ったものの実戦投入には間に合わずに終戦を迎えた幻の戦闘機である。震電は、先尾翼機という独特の近未来的なフォルムを持ち、計画では750km/hというレシプロ戦闘機としては最高速を出せる計画だった。そして橘花は日本初のジェット戦闘機、先にドイツが世界で初めて実用化したジェット戦闘機であるメッサーシュミットMe262の、ドイツから譲り受けた技術資料を参考にして開発された。
当時の写真では見たことがあったが、これらの試作機は終戦後米軍に接収されたのち、米国立航空宇宙博物館(NASM)の復元施設倉庫でひっそりと分解・保管され、半世紀以上も人目に触れることなく保管されていたのだそうだ。現物がまだあるものとは施設長も知らなかった。
それが今回公開されたとのこと、写真は上記産経新聞のニュースソースにてご確認いただきたいが、NASMで現存しているものの写真を見て感動してしまった。NASMでは、ほかに大戦中、世界最大の潜水艦だった「潜水空母」、伊400型に搭載された特殊攻撃機「晴嵐」の現物も所蔵しているそうだ。これも目にできる機会に期待したい。

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«米政府当惑、慰安婦抱擁に「政治性なし」と説明:トランプ大統領訪韓(11/10)