2009年6月 7日 (日曜日)

書籍紹介:「台湾に生きている『日本』」

立て続けに記事にさせてもらっているNHK「JAPANデビュー」問題だが、産経新聞が5/30のデモを記事にしたのを最初に、6/5には読売新聞も今回の問題を大きく記事に取り上げた。そして政界では、自民党の有志の国会議員によるこの問題に対する議員連盟が立ち上げられることになった。

NHK台湾特番で自民有志が議連 産経新聞(6/3)

さて、このタイミングでちょうどよい書籍を紹介しておく。
「台湾に生きている『日本』」、この本は台湾に長年住んでいる著者によって書かれたものである。日本統治時代の数々の事物が今もなお台湾人の手で大事に保存されている様子が綴られている。現在も総統府として台湾政府の中枢として使用されている台湾総督府を始め数々の日本統治時代の建築物、明治時代の日本人警察官が神様として祀られている有名な義愛公はもちろんのこと、当時の日本人と台湾人の交流と絆を示す数々の事物が紹介される。さあ、台湾が本当にNHKの言うような反日の地ならなぜこのような事物がたくさんあるのか、全く説明がつかなくなるだろう。
先月16日のNHK抗議デモの際、あのメルマガ「台湾の声」編集長の林建良氏が、リレートークでの演説でこう言って怒っていたのを思い出す。

「NHKは日本統治時代に日本が台湾人に酷いことをしたと言う、一方で台湾人はとても親日的であると言う。それではまるで台湾人がよほどどうしようもないバカなのか、さもなくばマゾだと言ってるようなものではないか。それほど台湾人に対する侮辱はない!」

興味を持った方は是非この本を読んで、日台の間にあった交流や絆の存在を実感していただきたい。そして今一度NHKの問題の番組を見れば、いかにそれが偏向した内容だったかが改めてよくわかるだろう。

目次
序 私を惹きつけた台湾
第一部 台湾に生きている「日本」を歩く
  台北市とその周辺 ・・・台湾総督府、台湾総督府博物館、台湾総督官邸ほか
  台湾北部 ・・・蓄魂碑 大渓武徳殿、宜蘭飛行場跡ほか
  台湾中南部 ・・・和美公学校校内神社 琴山河合博士旌功碑 台南駅ほか
  台湾東部 ・・・ハラパワン洞 旭村遥拝所
第二部 台湾人と日本人 -日本統治時代の絆を訪ねて-
  -菁桐駅
  -義愛公
  -共栄診療所
  -歌声となって残る小さな物語
  -白団
第三部 台湾の言葉となった日本語
  台湾の言葉となった日本語辞典
付録 訪ねてみたい歴史建築と遺稿100選

「台湾に生きている『日本』」 片倉佳史著 祥伝社新書

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2009年2月11日 (水曜日)

書籍紹介:「反日マスコミの真実2009」

またもや書籍紹介をいってみよう。
この本、当施設的に一言で言えば、当施設で記事にしたこと以外にも施設長はまだまだ言いたいことが山ほどあった話題について昨年1年分に関してかたっぱしから言いまくってくれている、そんな一冊だ。田母神前空幕長更迭事件についてはもちろんだが、毎日新聞のwaiwai変態記事問題や国籍法改正問題など、これらも当施設でもほんとは取り上げたかったのだが今まで書く機会を逸してしまっていたところであった。詳しく書かれているので是非みてほしい。
とりあえず、代表として巻頭特集の「第一回反日マスコミ年間大賞」で第二位の話題についてここでは触れておこう。昨年のマスコミ総出の田母神論文批判報道のときのこと、TBSのニュース23では田母神氏と論文懸賞を行ったアパグループとの「親密な関係」を報じるため、アパグループ代表の元谷外志雄氏と田母神前空幕長がアパグループ主催の「日本を語るワインの会」に出席して一緒に写っている記念写真が放送で流された。

News23_trimming




ニュース23で放送されたこの写真、元谷夫妻と田母神氏以外の人物はボカシが入っているのとアングルが何かなんとなく狭い。さて、これの元の写真を見てみよう。

News23_original





何とこのアパグループ主催の「日本を語るワインの会」にはこのとき、野党側で田母神論文攻撃の急先鋒となった民主党の鳩山由紀夫氏その人が夫人と一緒に出席しているではないか。これに田母神氏が出席しているのがアパグループとの「癒着」だと言い張るのなら、鳩山由紀夫氏とアパグループとの「癒着」については意図的に隠してまで取り上げないのは一体なぜか。今のマスメディアはここまでのインチキをやらかして国民を騙しているのである。

 目次
  巻頭特集 第一回反日マスコミ年間大賞
  はじめに 情報統制と報道テロリズム  西村幸祐
  総特集1 大マスコミが報じない田母神問題
           独占ロングインタビュー 田母神前空幕長 反日メディアへの反撃 ほか
  総特集2 毎日新聞変態記事の衝撃
          日本女性を貶め、世界に発信した大新聞の大罪 毎日新聞waiwai問題の本質 ほか
    特集1 KY新聞 ゾッとする「朝日」の断末魔
    特集2 一億総白痴化を完了したテレビの週末
  総特集3 報道されないニュース
          マスメディアが黙殺した国籍法改正 ほか
    特集3 ネット言論が破壊する既存メディアの情報ヒエラルキー
    その他連載記事多数

 「撃論ムック 反日マスコミの真実2009」 西村幸祐責任編集 オークラ出版 1200円

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2009年2月 1日 (日曜日)

書籍紹介:「雪風ハ沈マズ-強運駆逐艦栄光の生涯-」

本書は出版されたのはもう一昔前だが、不意にノンフィクション戦記が読みたくなって読んだものなので紹介しておく。
駆逐艦「雪風」は、太平洋戦争開戦当時最新鋭の駆逐艦として出陣し、大戦中終戦までの大規模な作戦の大半に参加してしかもほぼ毎度最前線で戦いながら、必ずほとんど無傷で帰ってきたという不死身の艦である。それゆえ生存者の証言が多く残され、当時の状況が詳しく書かれていること、そして敗戦国日本にこれだけの奮戦の物語が残されているという意味で大変貴重である。
雪風が運がよかったのは事実だが、読んで感じるのはその運を支えたのが何より雪風歴代乗組員の練度と士気の高さだということ。勝ち戦の多い緒戦の戦いで見事な戦果を上げるところも凄い。だが最も凄いのはむしろ戦争末期、悲惨な負け戦の中で信じられないような奮戦ぶりを見せるところだろう。かの大和水上特攻作戦、何百機という米軍機が襲い掛かる中、豪傑艦長と言われた第三代艦長の寺内正道中佐は露天艦橋から頭を出して操艦を指揮し降り注ぐ爆弾をよけまくった。この世の地獄のような状況下で、タバコをふかし悠然と構えて指揮を執る寺内艦長の姿に、乗員達はこの艦は沈まないと確信したという。大戦後半は幾多の僚艦の死を見取り漂流する生存者を救出する、あるいは遠隔地で孤立した陸軍将兵を救出するといったつらい役まわりが当然ながら多かったわけだが、それゆえにその中でもなお祖国の存亡と名誉に賭けて戦った雪風の奮戦ぶりにはなお一層胸を打つものがある。
で、当施設的に余計な一言を付け加えさせていただければ、それにひきかえ近年テレビでときどき作られる戦時中を扱ったドラマはまさに噴飯モノの一言に尽きる。戦後史観の塊みたいな嘘八百ストーリー、「んなわけねーだろ!」のオンパレード。そんな今のご時世だからこそ、当時を体験した人たちの本当の物語には是非一度触れてほしい。

目次
第一部 神話の誕生
 強運艦「雪風」出動す<南太平洋波高し>
 荘厳なる海の景色<激闘のスラバヤ沖>
 不屈の海の男たち<旗艦デ・ロイテル轟沈す>
 されど恥ずるなかれ<痛恨のミッドウェー>
 軍艦マーチは響けども<若き少尉の初体験>
第二部 強運ワレニ有リ
 鉄底海峡の火祭り<戦艦「比叡」沈む>
 陰忍、苦渋の海にて<魔のガダルカナル急行>
 悲惨なるいけにえ<ダンピール海峡の惨劇>
 それでも「雪風」はゆく<僚艦の屍乗り越えて>
 赫々タル武勲ヲ祝ス<壮烈、「神通」の死闘>
 心配するこたあんめえ<強運、豪傑艦長登場>
第三部 苦渋の海に生きる
 忘れ去られた伝統<マリアナ沖の敗北>
 史上最大の海戦に生きる<悔い多き海の史劇>
第四部 ソレデモ「雪風」ハ沈マズ
 特攻「大和」との出撃<地獄の門をくぐる>
 刀折れ矢尽きてもなお<さらば「雪風」よ>
駆逐艦小論   豊田 穣

「雪風ハ沈マズ -強運駆逐艦 栄光の生涯-」 豊田 穣 著 光人社

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2007年4月25日 (水曜日)

書籍紹介:「朝日新聞のトンデモ読者投稿」

立ち読みでたまたま発見し、バカウケしたので速攻紹介する。
知られているところではよく知られていることなのだが、新聞の読者投稿欄とは、少なくともいくつかのメディアにとっては、実は社説など以上に「報道」の一線を超え「政治宣伝」と化しうる場所なのである。あくまで読者の投稿であり、新聞社自身の主張ではない。よって新聞社がその言論に責任は持たない。だが、もちろん投稿を選んで採用するのは新聞社。そこには記者の書く記事には現れない、その新聞社のもっと「ほんとは言いたいもっと踏み込んだ主張」がちらほらと現れる、ぶっちゃけて言えばその新聞社の持つ電波度がより感度良く受信できる場所と言ってもよい。
まあ、見てほしい。強烈な電波の一例を。

>「東京の休日」させたかった 会社社長 志村 淳 (山梨県大月市 56歳)
>金総書記の長男・正男氏とみられる人物の「お忍び旅行」は失敗に終わりました。思わずヘップバーンの「ローマの休日」と重ね合わせてしまいました。もし、私が正男氏だったなら、まず渋谷界隈のカリスマ美容室へ飛び込み、・・・(中略)・・・、最後の日には家族みんなでディズニーランドへ。・・・(後略)
>朝日新聞 2001年5月8日 東京版「声」欄
 (本書、p.14)

これはもちろん、2001年5月1日、北朝鮮の金正日総書記の長男の金正男氏と見られる人物が偽造パスポートで日本に不正入国、成田空港で身柄を拘束された時のこと。取調べに対して金正男氏と見られる人物が「ディズニーランドに行く予定だった」と発言した話が有名となった件である。
まあここまでくると、単なる頭のおかしい人の文章としか思えないが、記事に採用することを判断した新聞社は、この投稿記事で果たして一体何を言いたかったのか。

本書は、2ちゃんねるマスコミ板で有名なスレッドの「まとめサイト」で集められた情報がついに本になったというものである。著者はまえがきで、「反マスコミ本にありがちな重いテーマを扱ったものと勘違いされるかもしれませんが、内容は全体に軽めの構成になっております。ちょっとした時間つぶし感覚で本書を手に取って頂ければ幸いに存じます。」と言う。確かにノリの軽さはその通りだが、どうしてなかなか。この資料の蓄積度、それからコラムで、これらマスコミ電波を読み解くための基礎知識の説明、紹介される数々の関連エピソードなど、これは充分良書だ。これらの内容がより読みやすい形でネットの外にブレイクする動きは歓迎したい。

目次より:
まえがき・本書に入る前に覚えておきたい、トンデモ投稿にも役立つ3つのガイドライン
第1章、2001年までのトンデモ投稿
第2章、2002年までのトンデモ投稿
第3章、2003年までのトンデモ投稿
第4章、2004年までのトンデモ投稿
第5章、2005年までのトンデモ投稿
第6章、2006年までのトンデモ投稿
第7章、2007年までのトンデモ投稿
コラム・
投稿を楽しむための基礎知識
メディアが危惧する日本の右傾化
自称、高級紙の奇妙な社説たち
朝日新聞電波投稿者の再生産
投稿と社説の"甘い"関係
「天下の」朝日新聞を創作四字熟語で遊んでみました
マスコミの黒歴史
伝説の赤井邦道に続け!!
朝日新聞のトンデモ歌壇
「サヨク叩き」批評
朝日新聞で読む靖国問題 ~あとがきに代えて~

「朝日新聞のトンデモ読者投稿」 朝南政昭著 晋遊舎 定価1000円(本体952円)

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2007年1月21日 (日曜日)

書籍紹介:「Google Earthで偵察!世界の機密基地」

今日の書籍紹介はちょっと息抜きと言う感じで。

当施設でも、2006年8月26日記事「中国奥地の砂漠に台湾空軍基地そっくりの地上絵:台湾侵攻作戦の演習場か」で、GoogleEarthが捉えた中国軍の演習場に台湾の空軍基地そっくりの地上絵の話題について取り上げたが、このGoogleEarthで各国の軍事関連施設を「偵察」しちゃおうというのがこの本。もちろん前述の地上絵についても触れている(台湾空軍基地を模した絵であることについては書いていない)。どうでもいいが、この本の中で「特定アジア(※)」とかいう言葉が使われてたりとかするんだが、書いた人物はおそらく2ちゃんねらーと思われる(笑)。実際、2ちゃんねる軍事板にこれを話題にしているスレッドがあり、施設長は本書で挙げられている場所のかなりの数はそっちですでに見てしまっている。

Google Earthで偵察するスレッド一応2? 2ちゃんねる軍事板

まあ偵察と言ってもGoogleEarthに載っている写真は1~2年前のものであり、ここで実際に偵察活動ができるというわけではないが、紛争地帯、核施設、軍事基地、世界の現状を目で見て体験するにはよいツールである。こういった話にあまり触れたことがない人には本書はわかりやすくてよいだろう。なお、本書の最後の「偵察のポイント」で施設長も同感に思った部分を一つ、GoogleEarthは地球上全てが高精細写真なわけではなく、何も無い場所は解像度の低い写真まででそこでは何もわからない。が何もなさそうな場所が高精細になっている場合、そこにはGoogle社が高精細写真を買う理由となった「何か」がある。これは広い地球上の中で怪しい地点を探し出すよいヒントである。興味のある方は是非楽しんでみよう。

目次
Google Earthの基礎知識
Chapter 01 北朝鮮
Chapter 02 韓国
Chapter 03 中国
Chapter 04 ロシア
Chapter 05 中近東
Chapter 06 注目すべき地域
見分け方のコツをつかんでGoogleEarthマスターになろう!! -偵察のポイント-

「GoogleEarthで偵察!世界の機密基地」吉沢英明著、青木謙知監修、三才ブックス、定価1575円

※「特定アジア」・・・中国・韓国・北朝鮮の反日トリオのこと。同三国や日本国内の反日メディアなどがこの三国の主張だけをもって「アジア」の主張と摩り替えた言い方を常習的にすることに対してネット上で作られた用語。

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2006年11月 4日 (土曜日)

書籍紹介:「日本核武装」の論点

今日紹介する書籍のテーマは核武装である。同書を読んで記事を書くかと思った矢先のちょうど昨夜、テレビ朝日系列の朝まで生テレビ」の議題は「激論!ニッポンの核武装」。へー、ちょうどよいと思って見てみたら、まあ番組内容の酷いこと。まずパネリストに核武装論者が0。唯一は本書の執筆者の一人、国際政治アナリストの伊藤貫氏だが短時間のインタビュー中継のみ。議論の内容は終始北朝鮮の核の話ばかり、日本核武装の議論など全く出てこない。まあ言うなれば昨夜の朝生は「日本核武装の論点ずらし」である。一点非常に興味深かったのは番組の最後、すなわち毎回番組が行う視聴者アンケートの結果だ。「日本は核を持っていいか」の問いに賛成55%、過半数である。そこまでの現実逃避議論、「シャンシャン朝生」を晒された形になっての一部の出演者の狼狽振り、昨日の朝生は正直最後だけ見れば充分である。
さて、当施設的には核武装についての議論があるは当然と思うが、もっとはっきり言おう。日本は核武装実行を視野に検討に入った方がよい。その根拠を以下に挙げる。多くは本書でも指摘されていることだが、日本人の多くが普段意識して考えない基本的な事柄なので押さえておきたい。

1) 核に対抗する方法
核に対抗する手段は、同じ核を保有することによる抑止以外に有効な手段は現時点存在しない。MD(ミサイル防衛システム)、ニュースで実験に成功したと伝えられるのを聞いたことはあると思う。本書でMDの有効性に疑問を持つ専門家が多いことが指摘されているが、MDで全ての核攻撃を防げるかというと「ほぼ無理」ということである。

2) 米国の核の傘は有効か
米国の核の傘について、今後ますます覇権的になる中国が日本に核攻撃をしたとして、アメリカが日中間の紛争のために自国民数千万人を犠牲にしてまで「日本のために」核の報復をしてくれる、と夢想するのはあまりにも危険すぎる。冷戦時代ならともかく、もはや今の時代「米国の核の傘」はフィクションに過ぎない。

3) 中国の脅威
中国の脅威、中国は近年10数年連続で軍事費2桁%成長という、覇権主義以外に説明のつかない大軍拡を実行している。今後米中間のパワーバランスが中国にシフトしたあと、日本が今と変わらずでいれば中国は核の恫喝一つで日本を容易に屈服させられる。1993年、当時中国の李鵬首相はオーストラリアのポール・キーティング首相と会談した際、「日本?あんな国はあと30年もすればなくなっている」と発言した事実があるが、これは全くの冗談で言っているわけではない。

4) 核不拡散か、パワーバランスによる平和か
広島、長崎以来、核保有国同士による直接の戦争は全く起きていない。そう、抑止力は実際問題機能する。一方、軍事的空白、パワーバランスの崩壊によって戦争が起きるのは軍事の常識である。戦後核を持つ大国が持たぬ国と戦争したり軍事侵攻した例なら数えるだけできりがない。「戦争の起き易さ」という観点で考えて、日本が今後もあまり非核や軍縮に拘るのは東アジアにおいてむしろ不安定要因になる、と捉えるべきである。

「日本核武装」の論点 -国家存立の危機を生き抜く道-
中西輝政 編著  PHP研究所 1500円

目次
第一章 「日本核武装」の議論を始める秋(とき)  中西輝政
第二章 日本という国家の「意志」の表明を  日下公人
第三章 中国核戦略の標的は日本だ  平松茂雄
第四章 国家意思なき外交が招いた惨状と未来への「選択」  櫻井よしこ、平松茂雄、西岡力
第五章 核武装の決断は国民の覚悟から   伊藤貫、兵頭二十八、平松茂雄
第六章 「日本核武装」の具体的スケジュール  兵頭二十八
第七章 自国の防衛に責任を持てる当たり前の国に  伊藤貫

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2006年5月21日 (日曜日)

書籍紹介:「大日本帝国の民主主義」

で、そういえば書籍紹介記事はえらい久しぶりになってしまった気がする。紹介したい本はあるが、わりと最近の新刊で、ということで今日はこれ。
ジャーナリストの田原総一朗氏と東大名誉教授の坂野潤治氏の対談形式で、戦前政治史の内幕に迫るという内容。この内容は確か小学館のSAPIOで連載されていたものが本になったものである。ちなみに中道左派を自称する田原氏、本書の中でも「イラク戦争反対、女帝・女系天皇賛成(だから女帝と女系天皇は違うと言うに:施設長注釈)、首相の靖国参拝反対、中国敵視は愚策」と言っている点、当施設的にはその辺には微妙ないしは正直賛同できない意見も持つ人ではある。しかし、その田原氏が主張する。「戦後アメリカが初めて日本に民主主義を持ち込んだというのはウソ」、「明治憲法は民主的に運用されていた」、ここは大いに注目すべき点である。今でも戦後生まれの日本人の実際まだかなり多くが、戦前はまるで北朝鮮か何かのような、独裁的で、言論・思想の自由がない社会だったと信じこんでいる実情がある。まあそれに至っては、戦前日本が北朝鮮のような社会であったなら、本書の内容以前にそもそも政党が複数あったり普通選挙制があったりマスコミ・言論人が言いたいこと言ってたり(※)とかするか、とツッコミたくなる。よく戦前軍部の独走を言うときに出てくる「統帥権干犯問題」のようなものが当時実際にはどのような部分が論点となっていたかとか、満州事変のとき政府と軍とでどのようなやりとりがあったのかなどの話は興味深い。本書で触れている内容を読めば、戦前日本に対するイメージが一変する人は多いのではなかろうか。

「大日本帝国の民主主義」 坂野潤治、田原総一朗著 小学館 1575円

第一章 大日本帝国憲法制定をめぐる政権暗闘
第二章 美濃部達吉と北一輝はつながっていた
第三章 満州事変拡大は米国のミス
第四章 リベラルとデモクラシーは別物
第五章 日本では革命は起きない
第六章 「海外雄飛」も「議会」もワンセット

※ちなみに本の内容とは関係ないが、戦前日本の言論の自由の最たる例をひとつ挙げよう。日露戦争当時、雑誌「明星」に発表した与謝野晶子の有名な「君死に給うことなかれ」の一部だ。

「・・・すめらみことは、戦ひにおほみずからは出でまさね、 かたみに人の血を流し、 獣の道に 死ねよとは・・・」(「明星」明治三十七年九月号)

「天皇は自分では戦わないくせに・・・」ときたもんだ。当時さすがに批判は買ったものの、このとき当局からは全然お咎めなし、明治天皇の悪口を書いて出版した晶子が逮捕もされないどころか「明星」も発禁にすらなっていない。明治時代、日露戦争当時の日本でここまでの言論の自由があったのである。

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2005年10月 8日 (土曜日)

書籍紹介:「親日アジア街道を行く」

井上和彦氏というと、施設長的には最近では日本文化チャンネル桜のいつものキャスターというイメージである。本書は、フィリピン、パラオ、台湾、韓国、マレーシアとかつて日本の統治や日本軍の進駐を受けた地域を訪ね、そこに決して反日的とは言えない、いやむしろ親日的な声がある事実をいくつも紹介している。そうした親日話や当時の日本軍の奮戦話に感激して興奮気味の文面は、チャンネル桜の番組での語り口そのままだが、以下のようなアジアの地元の声や事実を目にすれば、戦後世代の日本人ならば確かにびっくりして興奮するのも無理はあるまい。

フィリピン:
さらにピネダ氏は、戦後の日本人を蝕む自虐史観を木っ端微塵に粉砕した。
「かつて日本の統治を受けた台湾や韓国をみてください。立派に経済的な繁栄を遂げているでしょう。これは日本の教育の成果です。ですが、アメリカの統治を受けたフィリピンでは、人々は鉛筆を作ることができなかったのですよ。アメリカが自分達の作ったものを一方的にフィリピンに売りつけてきたからでした」
・・・
最期にディソン画伯は、両手を固く結んでこう託すのだった。
「神風特攻隊をはじめ、先の大戦で亡くなった多くの日本軍人をどうか敬っていただきたい。これは私から日本の若者たちへのメッセージです。」

パラオ:
そして面白いのがパラオで使われている言葉。
パラオでは日本語を話す年配者が多く、そしてなにより日本委任統治時代に持ち込まれた日本語が現代もこの地でいきつづけているのだ。
「デンワ」(電話)、「デンキ」(電気)、「センキョ」(選挙)、「サンバシ」(桟橋)、「アブラ」(ガソリン)、・・・多くの日本語が日常で使われている。別の見方をすれば、近代文明の多くが日本委任統治時代に持ち込まれた証左でもある。

台湾:
そしてなによりこの廟で奏上される祝詞は我々日本人のド肝を抜く。
そう、祝詞は国歌「君が代」なのだ。
それだけではない、この廟では「海行かば」までもが厳かに奏上されるのだ。
祀られる飛虎将軍の神像は、日本軍人の姿をしており、その脇には台湾沖航空戦で散華した杉浦兵曹長の遺影が飾られている。さらに飛虎将軍の両隣にも軍服姿の神像があった。
廟を建立した堂守の呉省事氏によれば、この二人も日本軍のパイロットだという。

韓国:
金寿姙さんは言う、
「私にはどうしてもわかりません。あの国(日本)の問題でしょう。戦争で亡くなった方のために一国の総理大臣が靖国神社に参拝に行くことがどうして問題なのでしょうか。韓国で、大統領が国立墓地に行くことと同じでしょう?私にはわかりませんね。」

マレーシア:
しかし、変わらぬものがある。それはこの国の対日感情だった。
民家を改造したお土産屋を訪問したときのこと。その家屋の棚の中に、日本の御皇室の写真が飾られていたのである。それは現皇太子殿下ご夫妻のご婚礼のときのものらしく、今上陛下および皇后陛下とともにご一家で撮影されたものだった。・・・

「親日アジア街道を行く」 井上和彦著 扶桑社

目次:
 第一章 フィリピンに散華した神風
 第二章 ペリリューに散った最期の桜
 第三章 台湾、その麗しき大和ごころ
 第四章 封印された日韓交流秘話
 第五章 アジアの曙、マレー独立の戦い

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2005年9月 4日 (日曜日)

書籍紹介:「マンガ嫌韓流」

 さて、そろそろこのマンガ本についての話しをしよう。
 ネットをよく見る人にとってはすでによく知られていることだが、マスメディアでは韓国といえば韓流ブームと言われてもてはやされている情報しか目にすることがない一方、2ちゃんねるなどのネットを見るとこれが全く対照的にボロクソに叩かれていることがほとんどである。そう、韓国に関する話題はマスメディアが流す情報とネット上の世論との間のギャップがもっとも激しい話題といっていい。
 実際、このマンガ本も出版物として出版することは極めて難しかったらしい。作品自体は2003年には描き上がっていたらしいのだが、どの出版社にも出版を拒否され、2年たった今年ようやく出版に漕ぎ着けたのである。出版するときも作者のホームページによれば、朝日・毎日はもちろん読売や産経などにも、全国紙すべてにことごとく広告掲載を断られたとのことである。
 さて、それで売れ行きはというと、これがどうやらバカ売れしているようである。7/26の発売当初、施設長はいろんな書店を探したのだがなかなか見つからなかった。2ちゃんねる情報から東京駅前丸の内オアゾの丸善でやっと発見、入手することができた。その後、これは売れるということになったのかかなり増刷されたようで、今現在では多くの書店で平積みで売られている。発売から一ヶ月以上経ったいまだに、多くの大型書店のウェブサイト上で、売り上げランキングの上位に載っている。

順位は今日9月4日現在:
アマゾン・トップセラー   ・・・ 本総合3位
紀伊国屋・単行本ベストセラー   ・・・ 単行本1位
三省堂書店・一般書   ・・・ 一般書3位
八重洲ブックセンター ・・・ 一階(新刊話題書等)フロア中2位

 さて、これらのランキングを見ていただいた上で次のソースを見ていただきたいが、これに対しマスメディアの一部に微妙な反応が現れて興味深かったのである。

TBS「王様のブランチ」より:

ブックランキング 2005年7月2日
ブックランキング 2005年7月9日
ブックランキング 2005年7月16日
ブックランキング 2005年7月23日

 と、ここまでずっと「総合」ランキングである。ところが、

ブックランキング 2005年7月30日

 「マンガ嫌韓流」発売の7月26日の次の放送ではこれがなぜか突如「タレント本」ランキングに変わる。

ブックランキング 2005年8月6日

 そして、次の週ではこれが「コミック」ランキングに変わり、そしてさらに次の週から元の「総合」ランキングに戻るのである。

ブックランキング 2005年8月13日
ブックランキング 2005年8月20日
ブックランキング 2005年8月27日

 なお、ここでは「マンガ嫌韓流」は現在まで一度もランキング入りしていない。もちろん、書店によってはランキングに入ってないところはある。当初「マンガ嫌韓流」がランキングに入ってくることを恐れ急遽ランキングを変えたが、どうやら自分達のソースでは入ってこないことがわかり、変えた意図を微妙にカモフラージュしながら元に戻した、といったところではあるまいか。ちなみにTBSは、石原都知事発言を捏造して報道したことについて、「マンガ嫌韓流」の中で番組名から出演者まで名指しで激しく叩かれているテレビ局である。

 そしてもうひとつ微妙に面白かったのはやはり朝日新聞である。

asahi.com BOOKランキング

この中のamazon.co.jpのランキングに注目。

Amazon.co.jp(和書総合、7月4日~7月10日)(07/16)

 次のリンクは(07/23)とあるが、実は上の7/16以降なぜか2週間近く更新が滞ってからの更新であった。つまり「マンガ嫌韓流」発売開始後の更新である。そこには・・・、

Amazon.co.jp(和書総合、7月11日~7月17日)(07/23)

>※ランキングの対象書籍にコミックは含まれていません。

 うーん、何これ(笑)。

Amazon.co.jp(和書総合、7月18日~7月24日)(07/30)
Amazon.co.jp(和書総合、7月25日~7月31日)(08/06)
Amazon.co.jp(和書総合、8月8日~8月14日)(08/20)

 と、以降ずっと「コミックは含まれません」のお断りがつくが、ついに朝日が「マンガ嫌韓流」の名を載せる決断に踏み切る。

Amazon.co.jp(和書総合、8月15日~8月21日)(08/27)

>※Amazon.co.jpからのおことわり:これまで漫画のタイトルにつき除外しておりました『マンガ嫌韓流』と『マンガ中国入門 やっかいな隣人の研究』を今回よりランキングに含めております。

 朝日新聞さんよ、ちなみにこれほんとは「Amazon.co.jpからのおことわり」ではないんじゃないか?アマゾンのサイトでは最初から「マンガ嫌韓流」はランキング独走状態で載っていたぞ。それにしても、7/11-17の週のランキングについて2週間近く更新が滞っていた点、その間、朝日新聞の内部ではひょっとして相当もめていたのではあるまいか。

 この「マンガ嫌韓流」、以上のようなマスメディアの慌てぶりでもわかるように、内容は韓国に対してだけではなく、韓国関連のことについては異常に歪んだ報道姿勢をとり続ける日本のマスメディアに対しても強いツッコミが入れられている。その点も非常にお薦めである。

「マンガ嫌韓流」  山野車輪著 晋遊舎 1000円

目次より:
第1話「日韓共催ワールドカップの裏側」 韓国人に汚されたW杯サッカーの歴史
第2話「戦後補償問題」 永遠に要求される金と土下座
第3話「在日韓国・朝鮮人の来歴」 在日が歩んだ歴史と「強制連行」の神話
第4話「日本文化を盗む韓国」 日本文化の窃盗と著作権無視 パクリの実態
第5話「反日マスコミの脅威」 日本を内側から蝕む反日マスコミのプロパガンダ
第6話「ハングルと韓国人」 自称「世界一優秀な言語」ハングルの歴史と秘密
第7話「外国人参政権の問題」 外国人(=在日韓国人)が参政権を持つということ
第8話「日韓併合の真実」 朝鮮の近代化に努めた日帝36年の功罪
第9話「日本領侵略――竹島問題」 互いに領有権を争う日本と韓国 それぞれの主張
エピローグ「日韓友好への道」 特別編「冬のソナタと韓流ブーム」

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2005年7月16日 (土曜日)

書籍紹介:「韓国・中国の『(国定)歴史教科書』を徹底批判する」

「韓国・中国の『(国定)歴史教科書』を徹底批判する-歪曲された対日関係史-」 勝岡寛次 小学館文庫

歴史教科書問題をウォッチする際、日本人的にとりあえずしっかり押さえておくべき点、それは、「じゃあ日本の歴史教科書に毎度文句つけてくるあの国とあの国の歴史教科書はまともなのか?」というと、まともどころか国家が作った歴史教科書がほとんどトンデモ本のレベルだということである。ここ重要。
まあ本書はかれこれ3,4年前の本で、最近他にも同様のことを題材とした本は2,3見られる。本書は歴史教科諸問題で毎度槍玉にあげられる扶桑社の歴史教科書との比較に重点を置いて、「ぜんぜんこっちの方が公平だってのどーゆーことよ」という点を強調、逆に中国・韓国の歴史教科書に「逆修正要求」を突きつけるという内容となっている。ただ、読んで感じることだが、一番の問題は中国・韓国よりもこれだけ異常な状態にこれまで疑問を抱かなかった日本の方だろう。著者がツッコミを入れているいろいろな事実にしたって、果たしてどれだけの人が正確に知っていただろうかと思うことが残念ながら多い。
ちなみに近代に関して、反日一色なのは中・韓お約束なわけだが、近代以前については中・韓それぞれ微妙な違いがあるようだ。中国は、近代以前の華夷秩序に則った近隣国との朝貢関係という事実を意外にも語りたがらない。例えば隋代の記述で、日本が使者を送ってきた事実には触れている。このとき日本が「日出づる処の天子、日没する処の天子に書を致す。恙無きや」と書いて対等関係を主張した事に隋の煬帝が激怒した、という隋書倭国伝の有名な記述がある。だがその事実を完全無視して、煬帝はこのとき「喜んでこれに同意し、××を贈った・・・」などと書いているのである。まあ中国の場合は、恐らくは近代以前の歴代王朝が、侵略しては近隣国に朝貢関係を強いていたことにあまり触れると、近代に「日本に侵略された被害者」としてのキャラクターに説得力が失われて困るということであろう。
一方韓国はというと、中国との関係については、例えば歴代王朝が中国の冊封を受け、中国の年号を使うことを強制されたこと、ちなみに李氏朝鮮の成立によってできた「朝鮮」という国号も明に決めてもらったことなども、もちろん一切触れることはない。のは、まあ置いておくとしよう。それに対して対日関係というと、古代から李氏朝鮮まで、日本に文化を「教えてやった」「伝えてやった」のオンバレードなのである。確かに古代において、日本が大陸の文化を多く輸入して学んだ事実は誰も否定しないだろう。が、中世以降もずっとそうだったというのは無理がある。まして江戸時代の朝鮮通信使にまで、「私達の先進文化と技術を伝えてあげる文化使節の役割をあわせてもち、日本の文化発展に大きく役立った」と言い張るのはいかがなものか。ここの表現にはさすがに腹が立ったので一つ紹介しておこう。

第11次朝鮮通信使節(1763~1764)の一員だった金仁謙の日本紀行文、
「日東壮遊歌」金仁謙著 高島淑郎訳注 平凡社東洋文庫 より。

大阪を見ての驚き
「三神山の金闕銀台とは まことこの地のことであろう」
「人家が塀や軒をつらね その賑わいの程は我が国の錘絽(ソウルの繁華街)の万倍も上である」
「北京を見たという訳官が一行に加わっているが かの中原の壮麗さもこの地には及ばないという」

名古屋を見ての驚き
「山川広闊にして 人口の多さ 田地の肥沃 家々の贅沢なつくり 遠路随一といえる
中原にも見あたらないであろう 朝鮮の三京も大層立派であるが この地に比べれば 寂しい限りである」

江戸を見ての驚き
「楼閣屋敷の贅沢な造り 人々の賑わい 男女の華やかさ 城郭の整然たる様 橋や船 にいたるまで大阪、西京(京都)より三倍は勝って見える」

日本だけがなぜ江戸時代が終わったあと、有色人種国で唯一近代化に成功し列強の一員となるまでに至ったかには理由がある。明治以降に全てを作り上げられたのなら他の国だってできたはずである。江戸期の日本は、欧米のような機械文明こそなかったものの、経済や流通やまたは庶民文化の発達といい、近代の前段階と言える文明レベルを手にしていた。それをこの期に及んでまだ古代同様「大陸から文化を教えてもらう立場だった」などというのは、大嘘とはっきり主張してよいのではあるまいか。
さて、ところで意地悪な話をすると、「日東壮遊歌」の記述は実はこのあとが最も傑作なのである。

京都を見ての電波(笑)
「惜しんで余りあることは この豊かな金城湯池が 倭人の所有するところとなり帝だ皇だと称し子々孫々に伝えられていることである この犬にも等しい輩を皆ことごとく掃討し 四百里六十州を 朝鮮の国土とし 朝鮮王の徳をもって礼節の国としたいものだ」

彼らの「教えてやった」「伝えてやった」史観は今に始まったものではない、ということのようだ。中華思想(または小中華思想)という名の選民思想、これが彼らとの「歴史認識」問題を読み解く上での重要キーワードである。

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